チャンス

来週栄養士会議を開催すると知って、品質担当の役員からメールが入った。

何のためにどんな内容でするのか?自分も参加していいかどうか?会議では本音トークか?

などの矢継ぎ早の質問の最後に、うちの会社側から見て役員がエイリアンに見えるか?とあった。

そこでわたしは、社内ので栄養士の立場と意識の低さの現状を説明し

会議を定例化することで、育成を図りたいのだと訴えた。

「役員がエイリアンであれば、うちの栄養士たちはプレデター(姿が見えず存在感がない)だと思います」

と返信したら、座布団3枚という件名でさらにメールが続いた。

そんなわけで、金曜に別件の会議で本社に行ったついでに役員のところに顔をだし

今後のことをちょっと相談してきた。

 

入社以来ずっとくすぶっていた社内での栄養士待遇に対しての不満が

昨年転籍したことでさらにわたしのなかで具現化していた。

転籍先では栄養士の位置づけがはっきりしていて、幹部も全面的にバックアップしていた。

仕事は大変だったけれど見合った評価もあり、仕事のしやすい環境だった。

ところが、新組織でまたもとの会社に逆戻り。

幹部もまだばたばたしているのでわたしには何も指示がなく野放し状態だ。

1年間他支社で勉強してきたのだから、自分で考えて行動しろということか。

今の会社では報告さえしていればわたしのやりたいようにさせてくれる。

それはそれでいいのだろうけれど

社内の栄養士全てがわたしのように自由にできるわけではなく

彼女たちがどんなふうに思い、考え、業務をしているのかが見えてこない。

ひょっとしたら現状に満足している人もいるかもしれない。

でも漠然とこのままではいけないと考えている人がいるに違いない。

コミュニケーションをとりながら今後の方向性を決めたいと思っている。

野放しにされている今が、本当はチャンスなのかもしれない。

 

その後役員から会議前に話がしたいというメールが届き、エイリアンVSプレデターの闘いが勃発。

栄養士が育たない環境を危惧して対策を立てるのは、わたしの仕事ではなく

本来は上層部が考えなくてはならないことだというのが役員の言い分。

それをわたしにまかせきりにしている会社の体質が悪いのだという。

そんなことは言われなくても十分に理解している。

だからこそ栄養士を集めることが意識改革をしていく第一歩となるのではないか。

ずっと同じ会社にいる栄養士と比べて、他支社の栄養士の活躍はめざましい。

新人だったあの子がもうこんな役割までしているのかと驚かされる。

世代交代が進む中、うちの会社の栄養士は相変わらず現場を離れられない。

それはたぶん営業所の所長のレベルが低くて、栄養士のサポートなしでは業務が滞るからなのだろう。

現場業務が好きな栄養士もいる。

全ての人がわたしのように上昇志向を持っているわけではないのかもしれない。

でも、誰でも各々が「目指すこと」があるはずで

栄養士会議がそれを引き出すためのきっかけになればいいと思っている。

たしかに役員が言うように、わたしの仕事は衛生管理であって教育担当ではない。

だからあえて栄養士会議内容を衛生とメニューの情報交換の場としたのだが

今後は会議内容を改善しながら進めていこうと考えている。

まずは、第一歩。

なんて、かっこいいことを言っているが

実は、わたしが衛生巡回に訪れても全く無関心で、他人事としか思っていない

無愛想な栄養士に喝を入れたいだけなのかもしれない。

2009年4月25日