不況

「自動車全滅!」という文字につられ、週刊東洋経済を購入した。

わたしが自動車業界の経営悪化を憂いでみたところで何か変わるわけでもなく

経済誌を読んでもすべてを理解できるわけでもないのだが

アメリカがくしゃみするだけで日本が風邪を引くことぐらい想像はできる。

そして一番あおりをくうのが、わたしたちのような下々の者ということだ。

自動車関連企業の業績壊減度ランキングには

わたしの会社で給食を受託している企業が多く名前を連ねていた。

喫食者数も売り上げも下がっている現状をみても、かなり人員削減や減産をしているのがうかがえる。

お金に余裕のある人や、本当に車が好きな人をのぞき

わたしのまわりで新車を購入したという話を最近聞いたことがない。

毎回車検が近づくと買い換えていた我が家でさえ

もう車検を2回通しているのだから、いかに車が売れていないのかわかる。

「たった1人の70kg程度の肉体を運ぶのに 1.5t以上の車でエネルギーをたくさん消費している。

50世帯分のエネルギーを使ってたった1人の人間が移動するものが自動車だというのはばかげている。」

という一節があった。

さらに研究開発費上位を占める自動車メーカーなのに

車以外の技術移転が遅れ、新規事業を強化していないという指摘もあった。

将来性のある技術、たとえばロボット、次世代電池、バイオ資源など

社会を変える可能性がある優れた技術を生かすようになったら

日本経済の構造転換に大きな追い風が吹くだろうと締めくくっている。

自動車会社が自動車以外のものを作るという発想の転換が必要なのだろう。

なにはともあれ、こんな厳しくて寂しい状況を父はどんな思いであの世から見ているのだろうか。

2008年12月17日