前兆

父の葬儀の後に購入した腕輪念珠の糸が切れた。

切れたと言っても数珠がばらばらになってしまったわけではなく

縒り糸の2本が切れ、数珠から飛び出ているのだ。

あまり強いゴムではないので、水や汗に弱いらしい。

そういえば、先週うっかり数珠をつけたまま入浴してしまったことが原因か。

しかし事務所で糸が切れたことを言うと

「最近お墓参りに来ないなぁ・・・と思っているんじゃないの?」とか

「母の日と父の日と間違えて、妬いているんじゃないの?」とか言われ

たしかにお墓参りに行っていないし

娘との会話のなかで、せなの話のついでに父の話が出た程度で

忙しさにかまけてすっかり記憶から遠ざかっていたことに気づいた。

仕事帰りにお寺に寄ると、供花はすっかりしおれていた。

掃除をしていてあちらこちらになめくじがいることに気づいたが

殺虫剤もないので、ほうきではらってあげるくらいしかできなかった。

帰宅してから母にその旨を電話すると

「そういえばお父さんはなめくじが大嫌いで、いつも大騒ぎしながら駆除していたっけ。」

と、笑った。

 

あぁ、そうか。

数珠が切れたのは、なめくじをどうにかしろっていうサインだったのか・・・

親不孝だったことに対しての戒めの数珠として購入したのに

いつのまにか身に着けていることで、きっと父が守ってくれるだろうという身勝手な感覚でいた。

反省、反省。

やぶ蚊にあちこち刺されて痒いのも、父からの「げんこつ」代わりなのかもしれない(笑)

2007年5月14日