日曜が初七日になるので、実家に出かけていった。
葬儀のときに母は不思議な体験をしたのだと言う。
ちょうど引導を渡す読経のなか、ゆらゆらとした赤い光が現れ
それが自分のほうに近づきながらふっと消えていったのだという。
母は、その瞬間に父が向こうの世界に行ったのだと確信したらしい。
その時わたしはといえば、後方から聞こえるいびきに閉口していたし
娘は僧侶の「喝!」の声に飛び上がりそうになっていた。
母だけでなく、わたしにも見えるようにしてくれたらよかったのにと
いつか父に会えたときに言ってあげようと思う。
そういえば。
火葬場でお棺に釘を打ち付けるときのこと。
通常なら参列者に少しずつ打ってもらうようにするのだけれど
葬儀が長引き出棺が30分ほど遅れたせいで身内だけで打ってほしいと言われた。
最期の務めだったのに、なぜかわたしの釘だけどんなに力を入れて打ち込んでも入っていかず
途中で兄が代わってくれた。
それも、父の最期のいたずらだったのかな?