エゴ

避妊手術のための1泊入院から無事帰宅したティファ。

しばらく落ち着かない様子でずっと傷口をなめていたが

30分ほどでご飯を食べ始めたので、とりあえず一安心。

mixiのコミュで、避妊手術の是非の論争が起きていた。

何度か発情期をむかえ、ふにゅふにゅとしている姿をみていると

何もしてあげられないことがつらく、かといって産ませてあげられる環境でもない。

マンションで完全な室内飼いなので、避妊手術は必要ないかもしれない。

人間のエゴといってしまえばそれまでだろうが

それでもわたしは、ティファにとって正しい選択をしたと思っている。

実家にいるサンは、もともと野良猫が家の敷地内で産んだ子猫でいつのまにか家猫になったものだ。

気ままに外で出て行くので、去勢手術をおこなった。

父が「せっかく男として産まれたのに、かわいそうだ」と言っていたのを思い出す。

せなの時には、マーキングしないうちにと思っていたのであまり深く考えなかったのだが

わたしも筋腫のために子宮摘出手術をしていて、術後の痛みがわかるだけに

ティファのときにはちょっと躊躇した。

市内の獣医で手術を行えば助成金が出るのだが

やはり信頼できる隣町のかかりつけの獣医を選んだのもできるかぎりのリスクを避けたいがためだった。

狭いケージに押し込めておくより、自宅のほうが本人が安心していられるから

日帰りでも大丈夫だと獣医さんには言われたのだが、念のため、1晩預かってもらうことにした。

帰宅したティファのおなかには、10cmほどの傷があって痛々しい。

エリザベスカラーも試してみたのだが、嫌がったのでそのままむき出しの状態で連れて帰ってきた。

でも傷を舐めてはいるものの、人間のように痛がって泣くわけではない。

日帰りでも大丈夫ということは、動物は痛みの感覚や自然治癒能力が人間とはちがうのかもしれない。

それでも傷を止めてある針金状のものをガシガシ噛もうとするので

娘の小さい頃のスパッツを切って腹巻にしてみた。

嫌がるかと思ったら、歩きにくそうだが案外いい感じ。

ご飯を食べさせてもらえないまま病院に連行され

気付いたら見知らぬ場所に閉じ込められて、おなかが痛くて

何をされたのかわからないまま、たぶん人間不信に陥っているのではないか?

ティファが言葉を話せたら、何を考えているのかわかるのになぁ・・・

痛い思いをさせてしまって、ごめんね。

2008年6月1日