叡山電車を降りると、駅前には大きな天狗のお面が飾られています。
鞍馬寺の仁王門前には、左右に狛犬ならぬ阿吽(あうん)の寅が配置されています。
まるでティファのようです(笑)
さて、肝心の鞍馬寺までのハイキングですが
5月11日から運悪くケーブルカーが改修工事のため運休していて断念する結果となりました。
鞍馬天狗や牛若丸に会えるのは、まだ先になりそうです。
ほっ。
山門駅駅舎の「普明殿」で父たちの仏壇に供えるように、お土産のろうそくを購入しました。
縁結びの神様を祀る結社に向かう途中、呼び込みをしている茶屋の女将に
何気なく「予約していないと食べられませんよね?」と聞いたところ、大丈夫だという意外な返事が返ってきました。
ちょっと時間は早いけれど、昨日昼食を食べ損ねそうになったこともあって
わたしの独断で予約をお願いしました。
川床料理は、品数が増えるにしたがって値段が上がっていくシステムで
そもそも娘は偏食が多いので、食べられそうな湯豆腐と天ぷらのコースを選びました。
川魚ってそれほど好きなわけではないけれど、せっかくここに来たのだからと
けいちゃんとわたしは鮎の塩焼きを追加。
京都での湯豆腐、初体験!
あとでビデオをみたら、石ちゃんよりもはふはふした面白食レポになっていました(笑)
川のせせらぎとひんやりした風で、疲れが取れたひとときでした。
叡山電車に揺られながら、貴船に向かいます。
この沿線には娘が受験を考えていた大学があったのですが
自然に囲まれた環境ではあるものの、住むにはちょっと寂しいところだなと感じました。
今日は貴船祭(例祭)が行われるので、混雑が予想されます。
水と縁結びの神様で知られる絵馬発祥といわれる古社の参道は、春日灯篭と緑のコントラストが美しく
秋のライトアップはさぞや幻想的だろうと思われます。
水占いおみくじも厳かな儀式のようでした。
「水を司る神」を祀る「貴船神社」は、日照りや長雨が続くと朝廷より勅使が派遣されて
降雨を祈願するときには「黒馬」が、止雨を祈願するときには「白馬」が
その都度奉納される習わしだったそうです。
そういえば、今回の旅行では雨が降るはずだったのにいずれも好天に恵まれました。
けいちゃんも娘も晴れ男に晴れ女で、松岡修造に負けないくらいの太陽神です。
いや、ひょっとしたら「白馬」の化身なのかもしれません。
駅を降りるとすぐに朱塗りの楼門というアクセスのよさに喜んだのは言うまでもありません。
奥社奉拝所まで続く千本鳥居は圧巻でした。
奉納した名前に知っている名前なんかないよねと見ていると地元の病院名が見つかったりして。
神秘的なパワースポットでした。
ただ残念だったのは、参拝客のマナーの悪さでした。
言葉が通じない観光客だからしかたがないのかもしれないけれど
人のほうに向かってスプレーをふりまき続け、他人が吸い込んで咳をしているのに気づかない若い女性や
本殿は撮影禁止なのに平気でカメラを向けているおじさんや、千本鳥居を逆走する人など・・・
日本人もきっと海外で恥をかいているのだろうなぁと思いました。
一番笑えたのは、鳥居の中でかっこよくポージングしている男性の顔だけが残念だったこと。
いや、自分のことを棚にあげて言える話ではないですよね(笑)
妙心寺は臨済宗妙心寺派大本山で、山内は三門、仏殿、法堂などの伽藍を中心に47ヶ寺の塔頭があります。
常に公開されているのは「桂春院」「退蔵院」「大心院」と妙心寺「大方丈」だけ。
この旅行で唯一わたしが行きたいと譲らなかったのが妙心寺です。
高校の修学旅行で見た法堂の雲龍図をもう一度見たいと思っていました。
見る角度が変わると龍の動きが変わり、どこから見ても龍と目が合います。
迫力ある雲龍は、今も昔も変わらないすばらしいものでした。
龍安寺から妙心寺まで徒歩で移動するあいだ、食事ができそうな場所がなくて
結局京都駅まで戻ってきてからの遅いお昼でした。
金閣寺周辺で早めの食事をしておけば、退蔵院の美しい枯山水を見る時間があったかもしれません。
金閣寺に向かうためにバス停にいると、ちょっと品のいいおばあさんに話しかけられました。
京都の諸事情をいろいろ教えていただきました。
ご先祖様から受け継いだ歴史の重さを感じます。
我が家のご先祖様は武田勝頼の足軽大将だったと言っても
このおばあさんにはまだまだ浅いと一笑にふされそうな気がします。
バスを降りるとまたしても人、人、人です。
室町幕府三代将軍、足利義満が建立した金閣寺は、北山文化のシンボルともいえる寺院です。
まばゆい光を放つ舎利殿は、初層が寝殿造、二層が武家造、三層が禅宗仏殿造と
それぞれが異なる建築様式が用いられています。
京都人は「先の戦争」は第二次世界大戦ではなく応仁の乱だというらしいけれど
こんな華やかな空間にいたら、それもありだなと思わずにはいられませんでした。