学校とは

高校の履修不足が問題になっている。

静岡県下でも27日現在、20の公・私立高校で4306人の未履修が判明している。

今頃になって補習をしなくてはならない受験生も気の毒なものだ。

娘は私立の進学校に通っていたが中・高6年一貫教育であったため

すでに中3の後期には高1の授業が始まっていた。

週休2日制では授業時間が足りず、補講と称して土曜も授業があった。

娘は美術系のクラスにいたので

高3になると理数系クラスが詰め込んでいる時間に

木曜のみ午前中で終わり、その時間を美研に通えるようになっていた。

公立と違って私立はカリキュラムを独自に作れるのだなぁと思っていた。

小学校の頃は、運動会でも順位をつけず

中学校では成績順位をたとえば1~10番はAランクとかいうように

アバウトな位置づけしか知らせず

「ゆとり教育」を推奨している反面、受験体制はますます激しくなる。

高校になるといきなり学年順位が出現する。

学年半数以下は教師も相手にせず、私立や推薦よりも国公立を目指せと言い

あたかも高校は大学予備校のような状況になりつつある。

なぜ勉強しなくてはいけないのかという根本を教えてはいない。

いい高校からいい大学に進学すればいい企業に就職でき、将来は安泰。

そんな図式は、終身雇用制度が崩壊した今、何の意味も持たない。

 

「夢が叶うと、それが職業になるんだね」

モト冬樹のことばである。

本当にやりたいことがあれば、誰に命令されずとも自分で努力するものだ。

本来学校は、子供に無限の可能性を教える場所なのではないか。

勉強という媒体を通して、自分の中に秘められた可能性を見出すのではないか。

大学生になって、高校時代とは全く違って意欲的に取り組む娘を見ていると

やりたいこと、なりたいものを見つけられた娘は本当に幸せだと実感する。

 

追記

心配していたとおり、娘の母校も(わたしの母校でもあるのだけれど)

2年生の世界史Aと日本史Aで履修漏れが発覚。

昨年度の2年生でも同様の履修漏れがあり、対象人数は計327人。

「授業時間が不足しており補習が必要と判断した。

当初は履修はしているので問題ないと思った」と言う。

04年度よりというから娘の学年も該当しているってことなのかしらん?

確かに、あの履修表はわかりにくかったし。

だけど。

最初は問題なしとしていたというのも、なんとも情けない話。

2006年10月30日