幼馴染

わたしたちが幼稚園児のころは、私立幼稚園にはスクールバスなどなくて

10分ほど市営バスに乗って通園していた。

わたしは泣いた記憶はないのだが、兄は毎朝泣き泣きバスに押し込められていたらしい。

そんな兄のバス通園仲間には、それぞれ2歳下の弟がいて

男の子4人、女の子2人、合計6人の子供たちはとても仲が良かった。

その後、1家族は仕事の都合で引っ越してしまったのだが

夏休みになると泊まりに来たり、キャンプに出かけたり、家族ぐるみのお付き合いはずっと続いていた。

子供たちが大人になるにつれて、だんだん集まることが減り

毎年の年賀状で「またみんなで会いたいね」という挨拶だけになっていたが

皮肉にも昨年、父の葬儀で顔をあわせることとなった。

「母を励ます会」と称し、久しぶりに3家族で旅行に行こうと決まったのはKくんの発案だった。

全員の予定を検討していたら、なかなか集まれないだろうから

日程を決めその日に出席できる人だけ参加すればよしというわけで

我が家からは母と兄とわたし、

Y家からは幹事のKくんと日帰りするおばさま、

W家からはおじさま・おばさま・Mちゃん・Mちゃんの娘のRちゃん、

合計9名が参加することになった。

 

Sくんの20歳の誕生日会に招待され新宿に集まったのがたぶん6人がそろった最後だったと思う。

あれから30年。

この年になると、話題の中心は「傷自慢」「病気自慢」だったりする(笑)

それでも30年のブランクなど全く感じさせないほどずっと笑いっぱなしの楽しい集まりだった。

そういえば。

一番年下だったわたしは、負けず嫌いで元気いっぱいであっても

3つ上の兄たちの行動についていくのはかなり大変で、いつも後姿を追いかけるばかり。

そんなときに後ろをふり返り待っていてくれたのがSくんだったように思う。

大人になって自分ではみんなに追いつけたと思っているが

みんなからみたらやはり「みそっかすの妹」なのだろうか?

と考えると、いつまでたっても年齢差は埋められないのだと笑えてくる。

せっかく再会できたのだから今後は定例会となるよう計画していくのだという。

次回は是非、SくんもNくんも参加できたらいいなと思う。

2007年5月1日