恥を知れ

母校の校訓『恥を知れ』の意味は

決して他人に対して言うことではなく、あくまでも自分に対して言うことで

人に見られたり、聞かれて恥ずかしいようなことをしたかどうかと自分を戒めること。

修養を積み、自分の人格を高めていく努力を怠ってはならない。

深い知性と気高い品性をそなえた女性を育成したいという創立者の理念です。

今日は、ゼミの教授がこの3月に退職されるため謝恩の会が開催されました。

大学卒業後、わたしは1度も大学に足を運んだことがなく

結婚式に祝辞をいただいて以来、実に20年ぶりの再会でした。

教授は50年にわたって、栄養士の育成に貢献なさっているのですが

「みんなといっしょに仕事ができる人、自信を持って仕事ができる人」を育てることが理念であったと

最後のご挨拶の中でおっしゃっていました。

当時は、国家試験免除で卒業と同時に管理栄養士の申請ができました。

その分、選択肢のほとんどないカリキュラムがびっしりの授業でした。

卒論だけは選択科目となっていて

クラスには60人以上いたのに、卒論を選択したのはほんの数人でした。

わたしは、「こどもの虫歯と食生活」という課題を選択し、教授に大変お世話になりました。

当時はまだ助手だった先生も、助教授として活躍されていて

ご挨拶に名刺を持って話しかけると、ちゃんと名前を覚えていてくださいました。

今日参加したわたしたち同級生5人全員が資格を生かした仕事を続けていて

教授にとって誇れる卒業生であると褒めていただきました。

わたしはずっと学歴にコンプレックスを抱いていました。

それは進学した大学が、わたしが望んだ学校ではなかったからです。

同じような管理栄養士専攻のある大学の中でも偏差値が低く

高校時代は英語が苦手だったわたしが、ここでは優等生になってしまうし

個性が強くまとまりのないクラスでした。

今日参加してみて、あのころは気づかなかったのですが

わたしはこんなにもいい指導者、友人に恵まれていたのだと、大学から足を遠ざけていたことを恥じました。

先輩の社会に出てからの貢献度、また後輩たちの頑張りで、今ではかなり上位の偏差値になっています。

今後は、胸を張って卒業生であると言いたいと思います。

2006年2月27日