「明日OB会があるから、手伝いに来てくれてもいいよ」
と、土曜日の会議後、マネージャーから言われた。
けいちゃんが仕事だということもあり、みんなの顔が見たくなって出かけた。
今の職場も居心地が悪いわけではないが
やはり何年もいっしょに働いていた仲間との仕事のほうが気心が知れている分、気が楽だ。
実は、父がなくなってからOB会に出ることが嫌だった。
父よりも年の多いOBたちが元気に会食をしている会場で料理の提供をしていると
本当ならここで父が会長として挨拶をしているはずなのに
どうしてここに父がいないのだろう?と思うからだ。
それでも相変わらず、父の同僚や部下だった人たちが声をかけてくれて
毎度毎度会場でわたしはぺこぺこ頭を下げている。
今日は、その中の1人で当時人事担当だった方が
「転勤したと聞いたけど、もしかしたら出てくるかなと思って用意してきたんだ」
と、わたしに昔の父の写真を焼き増ししてわざわざ持って来てくれた。
そして「どこにいっても元気で頑張れよ」と励ましてくれた。
父がいなくても、こうしてわたしのことをまるで自分の娘のように
気にかけてくださる方々に、感謝の気持ちでいっぱいになった。
そして、もう1つのサプライズ。
OB会は、前半が総会、後半が懇親会という2部構成になっているのだが
前半での講演会のゲストが、なんとけいちゃんの同級生である「富士宮やきそば学会」の会長。
来賓席にビールを持っていったら、そこに渡辺氏が座っていたので思わず
「こんなとこで、何してるの?」と声をかけてしまった。
周囲の人はそんなわたしに驚いたようで、その関係にさらに驚いたようだった。
本当に、人とのかかわりあい、縁というものは大切にしたいと思った1日だった。