研修

24・25日と1泊で研修が行なわれ、50人ほどの栄養士が参加した。

20代~30代前半ぐらいの若い栄養士ばかりだ。

ぐるりと見渡しても、わたしより確実に年齢が上なのは2人しかおらず

当然3人がつるんで行動を共にすることが多かった。

たまたま3人とも喫煙者なので

休憩時間はロビーに出て灰皿をかこむのだがすっかりそこが定位置となり

他の栄養士は近寄らない聖域となっていた。

確かにアダルトな3人が足組んでタバコ喫っていたら恐いと思う(苦笑)

会社としても、今後栄養指導を商品化していくためには

若い栄養士を育てていかなくてはならないのだから

いまさらわたしたちが参加しなくてもいいだろうと思うのだが

さしずめわたしたちは彼女たちのお目付け役のような役割なのだろう。

 

そもそもわたしは若い人が苦手だ。

ただでさえ「黙っていると恐い」というイメージが定着しているのに

親子ほど歳が離れてしまうと、教えるというより説教じみてしまい

煙たがられるのではないかと思い、つい遠慮してしまう。

もともとわたしは自分から率先して話しかけるタイプではないので

そっけない態度を察するのか、相手も話しかけにくいのだろう。

気を使っているのがわかる。

「頼れる先輩」というより「近寄りがたい目上の人」というところか。

講義はグループワークが中心なので、嫌でも若い人とチームを組む。

向学心に燃える若さに圧倒されるのか、かなり居心地が悪い。

警戒心のない笑顔がなんともまぶしすぎて、照れくさくなってしまうのだ。

部屋割りも、同じ支社内の後輩とのツインだったが

入社3年目になる彼女とは、プライベートな話をしたことがなかった。

それぞれが個々に独立した仕事をしているので

相談をされたこともなかったし、何かアドバイスをしてあげたこともない。

頼りにされているという意識もなかった。

ところが、いろいろ話をしてみると

彼女が支社内で尊敬できる唯一の栄養士が、わたしだと言うのだ。

自己紹介の時間のときも、次の人を指名する方法だったのだが

最初にペアを組んだ他支社の子から思いがけず指名を受け

「貴重な話をたくさん教えてくださった素敵な先輩」と紹介された。

 

人というのは、実におもしろい。

コミュニケーションが深まると自然と信頼関係が生まれる。

相手のために何かしてあげようという気持ちが生まれる。

入社しても教えてくれる先輩がおらず1人で頑張ってきた彼女たちには

わたしのような者でも必要だと思う瞬間があるのだ。

「お目付け役」ではなく、常に「頼もしい先駆者」でありたいと思う。

アダルト組を参加させた部長の狙いは、そんなところだったのか。

2007年8月26日