母校

27年ぶりに訪れた街は、全く知らない都市に変貌していた。

変わらないのは駅前の交番の位置と麹町郵便局だけで

街路樹はビルの4Fにまで届きそうな高さになり、枝は歩道の上を覆い

授業を抜け出して通った店も、テーブルゲームに興じた喫茶店もどこにあったのかさえ記憶の彼方だ。

大学の校舎でさえ当時の面影はなく近代的なビルに建て替えられていた。

 

今日は、出身大学の栄養指導研究室主催の会に参加した。

紫陽花の咲く季節に行なわれることから「あじさい会」というのだが

実はわたしは今まで、会の存在すら知らず

卒論ゼミで一番お世話になったにもかかわらず

卒業後一度も大学に足を踏み入れたことのない失礼極まりない卒業生だ。

にもかかわらず

教授も、当時の助手の先生もわたしを憶えていてくださってさらに冷や汗をかくこととなった。

会場は、集団給食実習を行なう5Fの教室で

完全ドライシステムの最新設備の厨房を備えており

今の学生は非常に恵まれた環境で勉強が出来ることがうらやましい。

当時は暗い地下の老朽化した厨房だった。

しかし教授は、その恵まれた環境であるがゆえに今の学生は就職先の環境が悪いと対応ができないと嘆く。

昔の学生のほうが応用力がきいたらしい。

 

特定保健指導の活動が来年度から始まることで栄養士には追い風が吹いてきている。

このチャンスを生かすことで新たな世界が開けていくことだろう。

参加者は、先輩も後輩もそれぞれが第一線で働くプロであり

言葉のひとつひとつに自信が満ち溢れていて、わたしのモチベーションを上げるには充分であった。

2007年7月7日