雲一つない晴天に、雪をまとった富士山。
美しい富士山が出るたびに、わたしは友人に語り掛ける。
「てるるん、今日も富士山がきれいだよ」
それがわたしの通勤時の日課になっている。
お香典をなんとなく郵送するのが気が引けて、渡しそびれていて
仕事にかまけて放っておいたままであることがすごく気になっていた。
台湾でも京都でも贈るものを探していたけれど、気に入ったものが見つからないでいた。
でも日曜日に、そろそろ四十九日だよなと思っていたところに
たまたま義母の用事で買い物に行って鳩居堂のお線香を見つけたので、ご自宅に送った。
今日、彼女の四十九日だと知り
お線香も美しい富士も、きっと友人がわたしに見せてくれたものなのかなと思う。
病の苦しさや痛みから解放されて、向こうの世界で笑っているんだろうな。
でも、やっぱりちょっとせっかちに逝き急いじゃったよね、てるるん。