在り続けること

今日発表になった人事異動で、栄養士が4人ほどマネージャーに昇進していた。

仕事ぶりもよく知っている人たちなので納得の人事なのだが

いよいよ女性が活躍できる時代になったのだなぁと実感する。

新卒新人研修の際、アンケートに「どれだけ出世したいか」という項目があり

わたしは「できることなら課長」と書いた記憶がある。

どんなに頑張っても女性に肩書きが与えられるはずがないと思っていたからだ。

食を提供する会社でありながら、栄養士の業務は理解されず

使い捨てのような扱いを受けているようにも思えるだけに

今回の人事は頑張れば評価されるケースもあることにちょっと希望が見えてきた。

かといって、わたしはマネージャーという肩書きにはあまり興味がない。

マネージャーになりたいわけではなく、ずっと「栄養士」でありたいのだ。

転籍してから献立作成のデスクワークを続けて1ヶ月になる。

献立作成は重要な業務だが、ここにいると喫食者の顔や声が届かず

現場での反響や手ごたえを感じることができない。

生の声を聞いて初めて献立の修正ができる。

お客さまとのやりとりが、この業務の醍醐味でもある。

 

研修で、独立し会社を興した栄養士の話を聞いたときのこと。

彼女は「健康な人」を対象とした仕事をしたいと思ったという。

わたしにはこのことばがまさに「目からうろこ」であった。

資格を取得した栄養士のほとんどは、病院業務を希望する。

栄養の知識を生かして病気から人を救ってあげたいと思うからだ。

病院で働くことは栄養士にとってステイタスとなる。

しかし実際栄養指導を行うことができる栄養士はほんの一握りで

ほとんどが厨房での調理業務に追われ、こんなはずではなかったと落胆する。

しかも同じ栄養士でありながら、事業所給食をばかにしている風潮があり委託会社となるとさらに評価は低い。

統括している部署で働くことだけが偉いわけではないのに、肩書きとか職級とかでしか人を評価できなかったり

現場を嫌い事務だけを望む考え方の栄養士が多いこともたぶん現実なのだろう。

今年4月から特定保健指導がスタートした。

健康な人が健康であり続けるために、社員食堂が担う責任は大きくなる。

だからこそ、わたしは最前線で「栄養士であること」にこだわりたいのだ。

2008年4月2日