今日は祖父の命日。
亡くなったのはわたしがまだ幼稚園児の頃だったから、祖父との思い出はほとんど覚えておらず
葬儀の日は冷たいみぞれが降っていたなぁという記憶程度です。
祖父母といっしょに写っている写真が多いので、すごく可愛がられていたようです。
祖父は大工の棟梁でした。
気に入った材木があるとおしげもなく購入していたそうです。
弟子にはそれらを大切に扱えとふだんから厳しく言っているのに
わたしが仕事場でその大切な材木を金槌で叩くのを祖父がにこにこして見ているので
弟子たちは祖父に叱られると、わたしの顔に墨つぼの墨でいたずら書きをして鬱憤を晴らしていたのだとか。
自宅の離れには弟子たちが寝泊りしていて
母は、家事に加えて弟子たちの世話、集金、それに入院していた祖父の世話など
今となってはすごく忙しかったのだろうと理解はできるのですが
当時のわたしは、たまに母が後から幼稚園に届けに来るお弁当が嫌でたまりませんでした。
みんなが食べ始めていてもぽつんと待たされていたり、たまに菓子パンだったり。
だから今でも菓子パンはあまり好きではありません。
「食べる」行為は記憶に直結します。
祖父が好きだった日本酒を水と間違えて飲んで酔っ払ったこととか
祖母が作ってくれたコロッケとか
父が連れて行ってくれたホテルで初めて飲んだポタージュスープとか
全てが懐かしい思い出です。